「帰れ!!」
「お前と話すことなんてない!!」
「ビリビリビリ(提案書が破ける音)…」
昔ながらの商売人ってこのようなセリフを言って相手を威圧したり、目の前で提案書を破いたりしているイメージってありませんか?
ドラマでそういったシーンを見たことあるって方も多いんじゃないでしょうか。
実はこれは私が社会人1,2年目に実際に得意先に言われたノンフィクションの出来事です。
私は大学を卒業後、食品メーカーに入社し、大阪支店配属となりました。先輩からも大阪は義理人情を大事にしている地域だから最初は苦労するかもね、なんて言われていましたが、想像の何十倍も苦労をしました。
新卒の研修も終わり、先輩から担当を引継ぐことになりました。前任の先輩と得意先に挨拶へ回らせていただきました。その時は得意先の方もニコニコして「今後頼むで」と言われ、私も「よろしくお願いします」と元気よく挨拶したのですが、翌週に1人で改めて打ち合わせに行くと、「お前と話すことない」と冷たくあしらわれたのです。
それでも提案内容の打ち合わせをしたかったので、用意していた提案書を渡そうとすると提案書をビリビリと破られ、「帰れ」と言われ得意先の方は事務所に戻っていきました。
その時はイラっとして「なんだよこいつ」と思っていたのですが、数年後には困ったときにいつも助けてくださる一番の得意先となっていました。
どういうことかというとこれが大阪の「義理人情」だということです。
提案書を破かれてからも会社の先輩にアドバイスをもらいながら、何度も顔を出したり、得意先のスーパーへ商品
陳列に行ったり、スーパーの特売日に「安いよ安いよ!」と大きな声を出している店員さんを見たことある方もいるかもしれませんが、メーカー営業の私も赤いエプロンを巻いて「安いよ安いよ!」とスーパーに立ったこともありました(笑)
そうしているうちに少しずつ認めていただくようになり、そこからは「困ったことないか」「なんかあったらなんでも言えよ」と言ってもらえる関係性となりました。
営業に大事なのは関係構築だと思い知らされたエピソードなのですが、イノーバの営業においても信頼関係の構築はとても重要なものだと思います。
前説がかなり長くなってしまいましたが・・・
今回、営業スキルを磨いていきたいという想いをきっかけに、社内で読書会を開催しました!
課題図書はロバート・B・チャルディーニ著の「影響力の武器 第三版」です。
この本は、人々の行動心理について様々な実験結果に基づいて分析しており、マーケティングや営業の分野で広く参照されています。
読書会のきっかけ
「信頼関係構築」「ラポール形成」は現在も注力しているテーマでもあります。宗像さんの商談に同席すると、お客様が「宗像さんのおっしゃる通りです」「まさにそこが課題なんですよ」と言われていて、まさに信頼関係構築に繋がっていると実感しました。このことを宗像さんに相談したところ、「影響力の武器」を薦めていただきました。
読書会実施
読書会の進め方は毎週1章ずつ読み進め、「なるほど!と思ったこと」「疑問・質問があったところ」「実践してみたいこと」「その他の妄想」を各自まとめ発表していくという流れです。
2024年5月2日現在、「第一章 影響力の武器」と「第二章 返報性」の読書会を終えました。
様々に気づきがありましたが特に「返報性」(恩恵を与えてくれた人に対してお返しせずにはいられないという心理)は、営業でも活用できる原理だと感じました。そしてこの返報性こそが食品メーカー時代に痛感した「義理人情」だったのかと理解しました。
イノーバからお客様に与えられるもの(恩恵)はどういったものがあるでしょうか。商談でのお役立ち情報の提供、定期的な接触やウェビナーの情報提供など「与えていく」ことを大切にして、何か困りごとがあった際に真っ先にお客様の頭に「イノーバ」が思いつく状態にしていきます。
最後に
読書会では「メルマガに取り入れたい」「ISのトークで他社と差別化ができる」など幅広く実践で活かせそうだという声も上がっています。
社内読書会を通じて、営業スキルの向上だけでなく、社員の自己研鑽や会社全体のサービスレベル向上にも繋がることを実感しました。今後も、こうした取り組みを継続し、お客様の本当の課題に寄り添えるような人材育成に努めていきたいと思います。
皆様もぜひ読書会を取り入れてみてはいかがでしょうか。